宮内大輔藤原重頼の横領の事を、後白河院から言ってきたので、早く止めるように宮内大輔重頼に命じられました。又、朝廷の願いを祈る勅願寺の領地の年貢の納付について、それぞれに聞いてみたけれども、地頭達が受け取るべき年貢受領書が、未だにそろっていないので、遅れている事を申し上げられました。
若狭国司が云っている松永(若狭国遠敷郡、小浜市)、宮川保(小浜市)の地頭宮内大輔重頼は、国衙の命令に従わない事については、非法を止めるように命令書を作成したので、写しを送ります。
右の表題の事は、院の云うとおりでしょう。領家はまともにしていても、地頭がちゃんとしない所が多いですね。或いは逆に、地頭がきちんとしていて、年貢を滞らせてもいないのに、領家の中には、地頭を悪く言って、勝訴に悪乗りして、訴える事もあるでしょうと、聞いてもおります。それならば、院の事務所へ呼び出して、真偽を調べて、ご判断いただければ、不当な事をしている地頭は、恐れ入って忠義の心を呼び起こすでしょうね。又、まともな地頭は、世の道理を承知している事でしょう。勤めをするかどうか、呼びつけて迫ってみたら如何でしょうか。但し、若し呼びつけても来ない奴等もいるでしょうから、名簿を出していただければ、朝廷へ赴かせましょう。このような内容で、院へ申し上げてください。頼朝が恐れ敬い申し上げます。
九月三日 頼朝〔紙の裏側に花押を書きました〕
追伸します
先日の六月四日に戴いたお手紙の中に、おっしゃってこられた金剛心院と蓮華王院の年貢の納付の未済について、調べてみたところ、地頭達の在所と領地とがあちこちの国に離れているので、今現在では未だにそろっておりません。それで遅れている事を恐れ多いと思っております。追伸でこのことも申し上げておいてください。恐れながら申し上げます。
命令する 若狭国松永と宮川の保に居る地頭へ
さっさと今までの例の通りに国衙への業務を果たす事
右の土地について、地頭の宮内大輔重頼は、物事を地頭である事をよいことにして、国衙の運営を力ずくで邪魔するので、国衙から朝廷への上申書によって、院から命じてきました。早く地頭の担当できる事意外の、国衙の業務については、無法な邪魔立てを止めて、先例の通りにその業務を果たすように命じるのはこのとおりです。そこで命じます。
文治四年九月三日
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